染谷司法書士事務所

取扱業務

相続

■相続とは
人は一生のうちに権利や財産を得たり、義務を負ったりします。そして、人が死亡した際には、その人が有していた権利・義務を親族等が引き継ぐことになります。これを相続といいます。死亡して権利・義務の承継元となる人のことを被相続人、権利・義務を引き継ぐ人のことを相続人と呼びます。

被相続人が生前に有していた権利・義務は、原則として全て相続の対象となります(民法896条本文)。
例えば、権利には土地・建物・金銭等が含まれ、義務には借金等が含まれます。

■相続の流れ
相続では、まず、遺言書・相続人・相続財産の調査を行います。

相続財産調査の結果、相続財産のうちマイナスの財産額がプラスの財産額を超過していることが発覚する場合もあります。
そのような場合、相続放棄や限定承認を行うことによって、権利・義務の承継を回避し、または、一定の範囲内に限定して承継することができます。相続放棄や限定承認を行う相続人は、相続の開始を知った時から3箇月以内に家庭裁判所に申立てなければなりません(民法915条1項)。

遺言書があった場合、遺言の効力は被相続人の死亡時に発生し(民法985条1項)、相続財産は遺言書の記載通りに分配されることとなります。

遺言がない場合、民法上定められた相続人が、法律上定められた割合で相続します。具体的な分割方法は、相続人全員の話し合い(遺産分割協議)によって決定します。

遺産分割協議が完了したら、遺産分割協議書を作成し、不動産の名義変更手続き(相続登記)や相続税申告を行います。

 

遺言書作成

■遺言の効力
遺言とは、自身の死後の相続方法等についての意思表示をいい、遺言者の死亡と同時にその効力が発生します(民法985条1項)。

遺言がない場合、相続人・相続割合は民法上の規定に従って決定されることとなります。
これに対して、遺言がある場合には、遺言の内容に従って相続が行われることとなります。つまり、遺言をすれば、民法上定められたのとは異なる相続人・相続割合によって相続させたり、どの財産をどの相続人に取得させるかを具体的に定めたりすることが可能になります。

ただし、遺言者の配偶者・子・直系尊属には最低限の取り分(遺留分)が保障されており、これを下回る場合には、相続人に対する金銭賠償請求権(遺留分侵害請求権)が発生します(民法1046条1項)。
例えば、全財産を家族でない人(相続人)に相続させた場合、不動産等の相続財産は全て相続人に承継されますが、相続人は遺留分権者(家族)に対して遺留分相当額の金銭賠償責任を負います。


■遺言書の種類と作成方法
民法上、遺言書の方式には自筆証書遺言(民法968条1項)、公正証書遺言(民法969条)、秘密証書遺言(民法970条1項)の3種類が定められており、これらの方式に反した遺言書は法的効力をもちません(民法960条)。

自筆証書遺言は、遺言者がその全文と日付を自書し、署名・押印することにより作成します。
公正証書遺言は2人の証人の立会いの下、公証役場で作成します。秘密証書遺言は、遺言者が署名・押印した遺言書を公証人が封印することにより作成します。

成年後見

■成年後見とは
成年後見とは、病気や障害等により判断能力が低下している人のために、本人の意思決定を他の者が補完する制度です。

この制度は、判断能力が低下した人の行為能力を一定の限度で制限・補完することによって、本人の自由な意思決定を尊重しつつ、詐欺等による被害から保護することを目的としています。


■法定後見と任意後見
成年後見には、法定後見と任意後見があります。


〇法定後見
法定後見とは、判断能力が低下した場合に、本人・親族等が家庭裁判所に申し出ることによって、後見開始の審判等を受ける方法をいい、本人の判断能力の程度によって補佐・補助・後見の3種類に区別されます。

判断能力低下が軽い補佐では保佐人の権限は最小限にとどまり、本人の自由な意思決定に重点が置かれています。
これに対し、判断能力が全くない後見では、後見人の権限が広く認められ、本人の財産等の保護に重点が置かれています。


〇任意後見
任意後見とは、判断能力の低下に備えてあらかじめ成年後見人を選び、委任契約等を締結しておく方法をいいます。


〇法定後見・任意後見の比較
法定後見には、後見人等に取消権が認められるというメリットがあります。
例えば、本人が不利な契約を締結してしまっても、後見人が事後的に取り消すことで財産を保護することが可能です。もっとも、本人が自分の意思で後見人を選任するのは難しいというデメリットがあります。


他方、任意後見では取消権は認められていませんが、本人自ら後見人を選ぶことができるほか、ある程度柔軟に委任事項を決定することができます。


染谷司法書士事務所では、川口市、草加市、越谷市、戸田市、蕨市にお住まいの方を中心に、ご相談を承っております。
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