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遺産分割協議書が必要な場合

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■遺産分割協議とは

遺産分割協議とは、相続財産の分割方法を決定するための協議をいいます。

〇遺言のない場合
被相続人が遺言書を遺していなかった場合、民法上定められた相続人(法定相続人)が、民法上定められた割合(法定相続分)で相続することになります。この場合、被相続人の相続財産の全てを相続人全員が共有している状態となります(民法898条)。

しかし、共有状態では各相続人による自由な利用・処分がしづらいため、通常は遺産分割協議を行います。遺産分割協議が完了すると、その効力は被相続人の死亡したときに遡ります(民法909条本文)。

例えば、相続財産として①・②・③という3つの土地があり、相続人もA・B・Cの3人の場合、被相続人が死亡すると①・②・③はA・B・Cの3人による共同所有状態となり、誰かが勝手に土地を売却することはできません。
しかし、A・B・C全員の合意により遺産分割協議が成立すれば、①をAが、②をBが、③をCが単独で所有している状態となり、被相続人の死亡当初からこのような権利関係にあったとみなされます。

〇遺言のある場合

被相続人が遺言を遺していた場合、遺言の内容のとおりに相続が行われることとなります。したがって、すべての財産について分割方法が指定されていた場合には、被相続人の死亡によって自動的に遺産が分割されることとなります。

もっとも、単に相続割合の指定をするにとどまる場合には、相続人らがその割合で財産を共有している状態となり、遺産分割協議が必要になります。

■遺産分割協議書が必要な場合

遺産分割協議書とは、遺産分割協議による決定事項と日付を記載し、相続人全員で署名・押印した書面をいいます。
遺産分割協議自体は相続人全員が合意するだけで成立するため、遺産分割協議を作成していないからといって遺産分割協議が無効となるわけではありません。

しかし、不動産名義変更(相続登記)や相続税申告等の際には、遺産分割協議書の提出を求められる場合があります。
また、相続人の一部が後になってから取り決めに違反したり、交渉を蒸し返したりするケースもないとは言えません。遺産分割協議書は合意内容を確認する証拠ですから、こうした後のトラブルに備える意味でも作成しておくべきでしょう。

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